幸せのQuintet
「えっ?私?!」
いきなりそう言われても…
「恋美はこの曲の意図わかってると思うからさ」
城戸くんは目を細めて笑った。
曲の…意図…
私は楽譜に目を落とした。
初めてこの曲を歌ったとき『切なくて暖かい曲』だと思った。
そういえば、この日の空って泣きたくなるほど綺麗だったっけ…
「tears sky…」
ふと口に出た言葉。
「いいじゃん」
ハッとして見上げると城戸くんがほほ笑んでいてくれた。