幸せのQuintet


不思議に思っていると



「今日、前に渡した楽譜持ってきている?」



「あっ!」



やっと思い出した。


1年の最後の終業式の日に屋上で楽譜を渡してきた男の子だった。



「うん。持ってるけど…」



なんとなくずっと鞄の中に入れている。



「そうか」



私が言うと城戸くんは安心したように少し笑った。



わぁっ!カッコイイなぁ。



さっき見たのとは全然違って柔らかい感じだった。



「放課後、またあの場所に来て」



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