幸せのQuintet
城戸くんは、悪い人には見えないし。
「…わかった。私は部活があるから一緒に行けないけど、何かあったらいつでも連絡してね!」
和香ちゃんはニコッと笑った。
「ありがとう。和香ちゃん」
私は手を振って屋上に向かった。
それにしても…この楽譜はなんだろう?
大切なものなのかな?
屋上に行くと城戸くんがすでにいた。
「遅れてごめんね」
「いや…。じゃあ行くぞ」
そう言って城戸くんはいきなり手を私の掴んで歩き出した。