幸せのQuintet

特別と舞台袖と歓声



私達は野外ステージの袖に向かって歩き出した。



「…ぇ、ねぇ…恋美?」



「えっ…」



ふと顔をあげると歩ちゃんが私の顔を覗きこんでいた。




「どうしたの?さっきから浮かない顔して」


「だ、大丈夫だよ」



私は無理やり笑顔を作った。



私にもわからないけど、ずっと城戸くんとのやり取りが頭から離れない。




「……有吾!私、恋美のメイク直してくるから先行ってて!」


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