幸せのQuintet
「でもね!
今の歌、すっごく感動したよ。やっぱりボーカルは恋美にしてほしい!」
歩ちゃんはキラキラ目を光らせた。
「でも、私は人前じゃ…」
「なら練習しようぜ!」
えっ?
今度は城戸くんが私の近くに来た。
「学園祭までまだ時間がある。だから練習して人前で歌えるようにさ。…大丈夫だから」
そう言いきった城戸くんの目は真剣で優しかった
「私…やってみたい」
私はきゅっと手を握り締めた。