あの日に帰りたい〜第二部〜
連日、夏らしい暑い日が続いた。夏休みも後半になった日の昼下がり、電話がけたたましく鳴った。電話をかけてきたのは、近所に住む、同じ中学出身のミクという女の子だった。確かこの子は私学の高校に行っていたはずだ。「これから、ちょっと行っていい?」誘うような声が受話器の向こうから聞こえてきた。
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