幼なじみ


「涼。あたしね...涼が好きなの」
「は?!」
「あたし...ちっちゃいころから涼がずっと大好きなの」
「ゆい...」
ふられてもいいや...
あたし涼が大好きだから。
沙羅が涼と幸せにって言ったから...




あたし沙羅に勇気をもらったの。
「涼、あたしもう涼に迷惑掛けてくなくてたくさん嘘ついたの」
涼に好きな人がいるって知ってあたしは邪魔なんだって知った。
涼に嘘をついて一人になろうとした。
あたしが一人になるなんて初めから無理だったの。





あたしは涼が大好きで、いつだって人の温もりを求めてる甘えん坊だから。
沙羅に会ってわかったの。
あたしは逃げてただけ。
気持ちが知られて今の関係が崩れるのがこわかった。
幼なじみ...それは高くて大きな壁。
存在が近すぎる。





嬉しいこともたくさんあった。
でも、気持ちを伝えるのに100倍勇気がいるの。





あたしにはそんな勇気なかったけど...
沙羅が半分分けてくれたの。
今言わなきゃあたしきっと後悔する。





「優衣?何言ってんだよ?」
涼の顔には驚きが浮かび上がり、あたしの目には涙がたまった。
「冗談なんかじゃないの。あたし涼が大好き」
泣かない、決めてたのに。
あたし泣き虫だ。
今泣くのはずるい。
涼が困る。
泣くなあたし!





涙が静かに布団を濡らした。






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