幼なじみ

過去



「さっきからお姉さんの部屋きにしてるね」
「当たり前だろ。優衣がいるんだから」
「またそんなはっきり...」





リオには悪いが俺はリオが大嫌いだ。
優衣を傷つけ、その傷をえぐり...
それを利用して俺を縛り付けてる。





「春姉、ありがとね」
「いえいえ。またきな?」
「うん」
廊下から聞こえてきた二人の会話。
優衣、また来るのか。
俺に会いに来なくなった今、それは俺にとって最もありがたい。





「涼、手出さないの?」
「ん?」
「あたし女だし」
「優衣以外女じゃねーよ」





かっこつけたって、それを優衣に言えないんだから意味ない。
リオにどうこう言う資格はない。





「涼ーごはんーー」
おふくろがよんでいる。
「いくか」
「やばい、緊張する。」
リオが真剣な顔でつぶやいた。
「大丈夫だよ。おふくろは優衣以外の女に無関心だから」




「それ逆につらい」
リオはややうつむいてリビングに入った。





「あら、こんばんは」
「こんばんは!涼くんとお付き合いしています。リオです」
頭を下げて自己紹介するリオはかなり緊張してる。
「そんなに緊張しないでー。さ、どうぞ」
俺の心を読み取ったのかおふくろは優しくいった。





「ただいま」
「あら、お父さん。今日は早いのね」
玄関に走っていくおふくろ。
「え、お父さん...?」
「大丈夫。普通だから」





いつもと違うリオ。
きっと...優衣のこと気にしてる。
ここでは優衣は家族みたいなものだから。
うまくなじめるか心配してる。
また優衣に負けるのを、拒んでる。





でも、リオ...。
お前は優衣には何一つ勝てない。







< 33 / 159 >

この作品をシェア

pagetop