好きすぎた、たぶん。
確かにそう。
京子さんは俺に気持ちを押し付けることはしないし、俺の立場もわかってるから我儘言ったりすることもないし、俺が重く感じるようなことも言わない。
あくまで好きという気持ちは俺に伝えようとしないし、俺らの関係っていうのを十分わかってるから、その立場でしかいない。
例えばさっき、「また連絡する」って言ったとしても、「うん」とは言うけど「待ってる」とは言わない。
些細なことだけど、俺にとっては有難いことだった。
「結婚なんて当分出来ねぇんだろうな、俺ら。」
「だろうな。」
「まぁしたいわけじゃないからいいけど。したい相手もいないし。」
「だな。」
「お前は一生しないだろ。」
「んなことねぇよ。いつかするだろ。」
「よく言うよ。」