好きすぎた、たぶん。


「俺明日はオフだから、いつでも平気だから。」


「・・・じゃあ連絡します。」


「うん。本当ごめん。」


「いえ、気にしないでください。じゃあ。」



そう言って詩織ちゃんは帰っていった。



・・・何してんだ、俺・・・



1人にしなきゃよかった・・・



またエレベーターに乗って自分の部屋に戻ると、夏実はいなくなっていて、俺は打ち上げに呼ばれてしまった。



打ち上げにももちろん夏実はいたけど、2人で話なんて出来るわけなくて。



この打ち上げは俺らだけの為のものじゃない。



俺らやスタッフ、このライブに関わってくれた人全員への打ち上げだ。



NUTSのメンバーの俺が変な空気出しちゃいけない。



それはわかってたから、何事もなかったようにみんなで楽しく打ち上げ出来たけど、打ち上げ中も終わってからも、ずっと詩織ちゃんが気になった。



何にも言われてないわけない。



絶対何か夏実に言われた。



もし本当に夏実に何か言われたとしたら、今詩織ちゃんはどんな気持ちなんだろうとか考えると、気になって仕方なかった。


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