好きすぎた、たぶん。


「楽しかった?今日。」


「え?・・・はい。」


「そっか。俺も楽しかった・・・けどさ。」


「・・・・・・はい。」


「なんか・・・寂しかったよ。」


「・・・・・・」



よくわかんないけど、寂しかった。



詩織ちゃんは高校生なんだと見せつけられた気がして。



たぶん、夏実はこう思わせたくてこの仕事受けたのかな、とかわかっちゃったりして。



制服着てる詩織ちゃんは、今もそうだけど、いつものこと。



だけど、学校で会った詩織ちゃんは、間違いなく高校生で。



委員会とかやって、友達がいて。



詩織ちゃんの生きてる世界が、ちゃんとあった。



でも俺はそこにはいない。



俺は俺でNUTSっていう生きてる場所があって。



もちろんそこには詩織ちゃんはいない。



なんか、わけわかんないけど、すげぇそんなことを思ってしまった。



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