眠る心
けれど、逢う事は
一度も無かった。

柊雨の携帯電話が鳴る・・・

相手は、繭子からである。

「もしもし
 
 今日は、電話で
 
 何か御用でも?」

柊雨は、通話を切った後
居ても立ってもいられずに
  
プロモーションの装いのまま
その場を後にする。

繭子の高い声・・・

「ついさっきね
 
 なっちゃんから電話で
 聞いたの
 
 シキ先生
 大学の教え子さんと
 結婚するんですって
   
 だから、しゅうちゃん
 
 早く、なっちゃんを
 迎えに行ってあげてね」

繭子は通話をきり、微笑む。
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