眠る心
病室で目を覚ますと
私を覗き込む心配そうな
見覚えのある顔がそこにある。
 
そう、それは
姉の繭子(まゆこ)だ。
 
繭ちゃんの瞳から涙が溢れた。
 
「なっちゃん
 私が誰だかわかる?」
 
少し疲れた表情で、私の手を
強く握りしめ微笑んでくれる。
 
「・・・まゆちゃん」
 
「そう、よかったね

 なっちゃん、よかった」

ベッドの傍でしゃがみこみ
貴女は安堵する。

そんな繭ちゃんの姿を
私は見つめる。
  
目覚めた意識の中

時間は遡(さかのぼ)る

・・・・・・

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