宛て名のないX'mas
教室が終わったのは、ちょうどお昼の12時。

裕美と里奈は、カフェに入ってクラブサンドと紅茶のセットを頼んだ。


食べ終わると、すぐに里奈は店を出た。

何でも武田くんとの約束があるのだそうで。

どうぞどうぞ、よろしくやってください。


裕美はどっと疲れていた。

肩こったぁ…と肩をほぐし、首を回した。


『大好きな人のために』

その言葉を思い出して、裕美は携帯を取り出した。



【Re:裕美です♪】

先輩こんにちは♪
やっとメールできました。先輩受験で大変なのに、迷惑ですいません(>_<)

サッカーしてる先輩は本当にかっこよくて、憧れです☆
勉強もサッカーも応援してるので頑張ってください(*^_^*)


―――――――



「送信、と」

ふう、と裕美は息を吐いて、背もたれに寄りかかった。メールできた。やっと。こんなにすんなりと送信ボタンを押せたのは、この前のことがあったからだろうか。


裕美は恋する乙女の顔で、携帯をずっと握り締めて、にやけていた。

するとすぐに返信がきた。



【Re:Re:裕美です♪】

メールサンキュー(^^)
嬉しかったよ。

受験は、俺、推薦受けたから、あとは結果待ちなんだ。ちなみに明日なんだけど(汗)

サッカーはずっと続けたいって思ってる(^^)三年はあと一回、卒業試合があるからよかったら観にきてよ!


―――――――
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