雨のち晴れ模様。

ウザったい疾風を尻目に、俺は入学式が行われる体育館に準備をしに昇降口へむかった。


「~~!!」

「~~。」

なにやら昇降口付近で声が聞こえる。

声のする方へ向かうと。

「だから~……!?」

楽しそうに喋る愛葵と目があった。

「…どうしたの?愛葵?」

不思議そうに友達が問う。

「い…いやぁ…」

完璧キョドっている愛葵。

「あ~いきちゃん♪」


「はっ疾風先輩!?こっこんにちはっ」

「こんちは♪あ、入学おめでと。これから陸上部の部員として…」

「え!?ちょ、ちょっと待って下さいっ!!私なんで陸上部なんですか!?」

「え?だって天が言ってたもん。」


…おい疾風、俺に話しを振るんじゃねぇ。

そう思って疾風を睨むと、疾風は小声で、

「…良いの?ネックレス。」

「…!?」

「このままだと一生返って来ないよ?天のだーいじなネックレス。」

疾風は嫌味ったらしく"大事な"と言うところを強調。

「…あのさ。ネックレス…」

「あ、はい!!すみませんでした!!では失礼しますっ」

俺にネックレスを突っ返して、愛葵は、そそくさと友達と体育館へ行ってしまった。

「あ~あ、愛葵ちゃん行っちゃった。」
< 18 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop