花歌―ハナウタ
思考はストップし、もう、どうでもよくなった。



二人とも、無言だった。



事が終わると、龍司は、タバコに火をつけ、

『今日から、お前、俺の女な』

と言った。



ありえない。



勝手に部屋に入ってきて、こんな状況で、何言ってんの?



犯罪だよ?



頭おかしいよ。



そう思ったけど、何も言わなかった。



そしたらまた言われた。



『なんか言えよ』



早く解放してほしくてあたしは、うなずいた。




< 29 / 80 >

この作品をシェア

pagetop