しゃぼん玉

広畑学園

家庭での生活は無理になった。
施設に入れることを考えたのは お父さんらしい。

優しくて大スキだった。
お父さんと離れるのは小さい体には耐えられなかった。

「じゃあね」
遠い別れのような気がした。どんどん離れていく背中・・・
施設の人の繋ぐ手を振り払い必死に追いかけた。
あんなに速く走ったのも誰かを追いかけるのも
きっと それが最後だったと思う。

速く走りたい気持ちと体が追いつかずに大きくコケタ。
「パパ痛いよぉ」
それでもお父さんは止まらなかった。振り返らなかった・・・
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