最後のわがまま 〜かけがえのない八日間〜
死の間際
娘の口が動いたように
見えました
きっと何か言いたいことが
あったのでしょう
聞こえませんでした
けど何を言ったのかは
わかります
家族ですもの
娘がこれだけ立派な最後を迎えたのに
父親が感情のままに取り乱すわけには
いきません
娘に笑われていしまいます
だから僕も立派に娘の最後を見届けたいと思います
僕は娘の手を握り
微笑みかけながら言いました