洒落にならない怖い話
「このブレスレットさ、占い師が念を入れてくれたんだ。始めはあの女(運命の人の現恋人)が邪魔してたんだけど、今はもう運命の人の気持ちがこっち向いてるの分かったみたい」


ブレスレットを愛しそうに撫でる彼女の眼が怖かったです。


「もうすぐ出会えるんだ」って呟きながら・・・


運命の人が誰かは今は分かりませんが、彼女は本当に運命の人と近づいてきてると信じています。


この夏、旅行に行った後に出会うのだと占い師に言われたそうで、ここのところ旅行に誘われているのですが、休みがなかなか取れないのと、なんだか怖くて日程を決めていません。


「この期間を逃したらまた数年、離れ離れになっちゃうんだよ。お願い」と、必死に都合をつけようとする彼女。


今、出会わなければ運命の人は現恋人と結婚してしまうそうです。


彼らが離婚するまで、彼女は待ち続けなければならなくなる。


そうすると彼女と運命の人の未来が変わり、産まれるはずの子供の一人と会えなくなくなる。


あの女(運命の人の現恋人)は自分を憎んでるから、早く出会わなければ引き裂かれる。
< 13 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop