洒落にならない怖い話
ある日、AはEに告白した。


その際「俺の思いが詰まっている」と言って、尾崎豊の曲の入ったカセットテープを手渡したらしい。


Eは怯えてしまった。


Eは真面目で物静かな可愛らしい女の子だった。


内気そうなAが好きになりそうなタイプかも知れない。


自分の思いの丈を全て彼女にストレートにぶつければ、彼女もわかってくれる。


そんな風に思ってたのかも知れない。


尾崎豊風に。


しかし現実はそう自分の意図してた通りに行くわけはない。


完全に怯えきってしまったEは、友人伝手にそのテープを返却した。


当時のAのクラスにEの友人である数人の女子(Eを除く。怯えていたから)が押しかけ「Eは付き合う気、ないってさ」と告げた時、Aはたった今返却されたテープを握り締め、暫く無言でうつむいて、突然教室から駆け出し、数日間学校へこなかったらしい。


Eのほうも、降りる駅がAと一緒なのを気にして、母親の運転で一つとなりの駅から通学するようになったという。


なぜ、そこまで警戒したのかはわからないが......。
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