洒落にならない怖い話
「じゃあ、今日で信じるようになるかもよ?」ととんでもない事を言い出す彼女。


「私、霊とかそーいうの、好きなんだ」


おいおい電波ですか。


「会いやすいように、白ばっか着てきたんだ」


そーゆーことですか。


唖然としながらとうとう神社に到着。


快晴ならまだしも、ご丁寧に石段を登り出したあたりから曇り出し、嫌ーな暗さの神社一帯。


「じゃあ始めようか?」


大きな目を更に大きく開いて、彼女が笑う。


彼女が言うには、神社の周りを二人が取り囲むように走って回る。


二人の合流地点で、すれ違いざまに霊が見える、といううわさがあるらしく、実験の相手を探してたんだと。


「1周ぐらいだと見えるかどうか微妙らしいんだけど・・・」


けど何ですか。


「8周回ると、二人とも連れて行かれちゃうんだって」


勘弁してくれ。


とはいえ、男と女、幼馴染、同い年。


断れない条件は揃っている。


引いたら負けだ、という心理には勝てず、結局やることに。


神社の入り口を出発点に、互いに時計、反時計回り。


ちょうど神社の裏に松の木が生えていて、そのへんが合流地点となる。
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