洒落にならない怖い話
わけもわからず一緒に走る俺。


石段を下り終え、止めた自転車もそのままにして更に走る。


神社が見えなくなったあたりで、彼女はようやく足を止めた。


喉の痛みと走ったあとの息切れが収まり、ようやく彼女に文句を言った。


「何でラリアット???」


彼女が答える。


「見えてなかったの?」


は、何がですか?


別に何も、と答える俺。


彼女は首を振りながら


「○○君の後ろ、2周目あたりから手とか顔とかが追いかけてきてたの。


だんだん数が増えてって・・・7周目には○○君に絡みついてた。


○○君がそんなだったから、8周目はやめとこうと思って」


もし8周してたら・・・と俺がつぶやくと同時に、俺の背後から小さく


「ちくしょう・・・」


呻くような声がはっきり聞こえた。


その声を聞いたかどうだか、彼女は


「私はともかく、○○君はやばかったね。家帰ったら、背中みてみな?」と、笑った。


彼女に言われるまでもなく、帰ったとたん、母親に


「あんた、どーしたのその背中?」


どーしたもこーしたも、シャツには手形がびっしり。


その一件以来、彼女にはいろいろと協力をさせられている。
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