不思議の国のお伽噺。

sp.4 鮮血にまみれた真実。





私は、シェルスさんに一礼した。


すれば、シェルスさんも答礼し、私たちの前を去った。






「アリス…ごめ「チェシャ猫、私ねっ」




〝嬉しかったよ、〟と
言葉をつむごうとしたとき。



何かが頬に伝った。



手で触ると、それは温かい何か。



あ、私。






「また泣いてる…」



声に出してみると、もっと涙が溢れた。




泣いちゃった。
また泣いちゃった。


ほんとに被害者面ばっか浮かべて、情けないじゃん。
こっちに来てから泣いてばかり。



さっきの言葉が、ショックじゃなかった訳じゃなかった。



自己満足って言われたこと。




私…もう、消えたい。



いなくなりたいよ。





「…アリスッ!」



「…っ!!!」



チェシャ猫に手を引かれた。




「戻ってきて…アリス

それに覚えておいて。


アリスが自分の存在を否定すればするほど、


姫の歪みは強くなる。」





チェシャ猫の言葉で、引き戻された。。




そうか。

私が消えてしまうと思うこと。
それこそ、消えて逃げるってことなんだから、私の自己満足じゃない。













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