不思議の国のお伽噺。




バラが、手に巻き付く。



あまりに強く巻き付くために、手がとれそうだ。



「い、たい!!!!!

やめて!とれてえっ!!!!!!!」



あまりの痛さにパニックになる私。強く巻き付くのと同時に、バラの棘が私に刺さった。




「アリス!」



チェシャ猫は、私に駆け寄る。そして、足元に落ちていた石に息を吹き掛けた。



すれば、それはナイフに変わり、バラの蔦を切ろうとする。



私の目に、ナイフが映った。






私の手を、切り落とせば。



激痛は、消える。



私はナイフに、



手 を の ば す








しかし、のばしたときには、蔦はもう切れていた。



後ろにおもいきり倒れ、同時に、腕に巻き付いていた、バラもとれた。




正気に戻った私は、さっきの考えをもう一度思いだし、恐ろしさに身を震わせた。



自分で、手を切り落とすなんて。



アリスは、痛む腕を抱き締め、擦る。











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