僕は君を追う
「お風呂お先にいただきました…」

30分後、香奈枝は顔を真っ赤にしてリビングに入ってきた。
俺は立ち上がって香奈枝に近づいていった。

「香奈枝、話聞くから…俺の部屋行くか?」
「うん、お願い…」
「じゃあ母さん、2階行ってるわ」
「分かったわ」

俺と香奈枝は2階への階段をゆっくりと昇った。
その間俺たちは無言だった。

「どーぞ」
「お邪魔します」
「すぐに話せるか?」
「うん…泣いたらごめんね?」
「大丈夫だから」
「あのね…」

香奈枝が話した内容は衝撃を受けるものだった。
桐谷が俺と香奈枝が仲良くしているのに嫉妬したからやったらしい。
俺は何とも言えない感情に包まれた。

「翔ちゃん…だから私もう翔ちゃんと一緒に居ない」
「え…?」
「私が嫌じゃないけど、翔ちゃんに今日みたいに迷惑かけたくないの」
「香奈枝…」
「ごめんね…翔ちゃん…」
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