ピロー草子 三上納言の面白つぶ(ぼ)やき
ある寒い日、ふと上を見上げるとヘチマがブラーンと下がっておりまして。


ああ、やっと実が成ったのね。


なんかこう感慨深いですね、育ててたモノに実が成るっていうのは。


去年がサッパリダメだっただけに、嬉しくて嬉しくて。


考えてみれば小説もそうかも知れません、あたくしはこれまで色んな場所で書いて賞に出してたりなんかしたワケですけどどっこも引っかからなくて時々グレたりなんだかんだサボったりしてて、それでもまた向き合おうとしたらJUNONで突然声を掛けられたり。


小説とは植物なり、種を蒔き水をやり養分をやり余計な枝を落としてそして実が成る物。


なんてえらそうな事を言える立場ではまだまだございませんが、実るヘチマを見上げながらそう思いました。


ちなみにもうすぐ10月、現在実っているのは3本。


それぞれ「へちお」「へちみ」「へちこ」と名づけ、毎日毎日水をやっております。


この3本から採れた種でまた来年トライしたいなと思いながら。
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