【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
俺も真剣にルキに返す。



「俺、ヒノエさんを住むべき場所へ帰してあげたいんだ。だから、出来ることはしてあげたい。」



長い沈黙が流れたが、ルキは音も立てず、静かに頷いた。



「ヒノエ殿は強いお方だ。だけど、それ故脆い。」



ルキはそれだけ言うと、立ち上がり退室していった。



眠るヒノエさんを見つめ、名雪さんを倒した時のヒノエさんを思い出す。



弱さを知らないから、脆いヒノエさん。



力では敵わないけど、俺が、貴女の心を守ります。



ヒノエさんの美しい寝顔に、俺は、強くそう誓った。
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