【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
「獣族の女王と代わりたいと言うのなら、触れるが良い。」



きっとこいつは、俺とヒノエさん共々心中させたいんだと思う。



だけど、肉弾戦じゃない戦いは、俺が引き受けなければならない。



俺は死にたくないし、勝てる自信なんてないけど、ヒノエさんを助けたい。



躊躇いがちにヒノエさんに触れると、憎しみ渦巻くどこかへ意識が飛ばされそうになる。



なんとか自我を保ちその世界へ向かって行く。



「さあ、死の世界へ…。」



そんな薄気味悪い囁きと、意識の戻ったヒノエさんの悲しそうに歪んだ顔を最後に、俺は別の世界へと飛ばされた。
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