【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
「…あんた、私の過去、共有したわね?おかげで厭な夢を見たわ。」
「すみません…話を聞くより、こっちがいいと思ったんです。」
思ったよりヒノエさんは怒っていなくて、静かに俺にそう言った。
「いいわ。賢い者なら、不思議に思うのが普通よ。私が獣族の女王の理由をね。」
ベッドの上に正座をした俺は、ヒノエさんの声を静かに聞く。
「あんたが見た通り、私の弟キズキは罪人よ。人間界の、この日本のどこかにいる。それは確か。」
淡々と話すヒノエさんだけど、俺には伝わる。
ヒノエさんが痛いほど、苦しくて悲しくて、それでも弟として、キズキを愛してるということを。