依存~愛しいキミの手~
エレベーターに乗り込むと、沈黙が続いた。


あ…今さらだけど、2人きりだ…。


狭い空間に2人きり。


そう思ったら一気に緊張した。


「…あすか…」


ドキッ


圭介はたいていお前とかこいつとか名前を呼ばないから、すごくびっくりしたのと胸がときめいたので、鼓動が加速を始める。



何も言わないまま、圭介の靴を見る私。


言わないんじゃない、言えなかった。


腕を引っ張られ、圭介の両手に包まれるかと思った時


チンッ



カラオケ屋の階に着いた。


ドアが開き、無言で先に降りる圭介。


今の…って…?


え…え!?


も、もしかして今のって!!


ぎゅっと抱きしめようと…したの…?


顔が赤くなっていくのが自分でも分かった。


ねぇ、圭介。もしかして、今私をぎゅっとしようとした?


俯いて、圭介の背中をチラッと見ながら心の中で聞いた。


当たり前だけど返事はない。


…でもね、圭介の赤くなった耳を見ると期待が胸を膨らますんだ…。
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