依存~愛しいキミの手~
電話を切って、廊下の窓際に立っている知美に近寄った。


「今日ね、りょうちゃんと一緒に圭介たちも来るって!みんなでお好み焼き行こうよ」


そう言うと、知美が喜んでくれた。


「あ。今日出勤前にうちの店のロッカー来れる?」


周囲に聞こえないように、小声で言う知美。


「うん、平気だよ。何で?」


つられるように、私も小声で話す。


「ドレスとか私物がたまりすぎて、そろそろマネージャーに言われそうだから、貰ってくれない?」


ドレス!?


「欲しい!まじで!?やったぁ、ありがとう!」


知美の両手を握ってピョンピョンと跳ね、喜びを表した。


そんな私に、嬉しそうな笑顔を見せる知美。


教室に入ると、ゆきたちが睨みつけてきた。


原因は言われなくても分かってる…。


「ねぇ、いつから仲良くなったわけ!?私が嫌いなの知ってて当てつけ?」


やっぱりな。


机をバンっと叩いて言うゆきに、大きくため息をつきながら思った。


「別に当てつけじゃないよ。ゆきが嫌いでも私は好きだから話してるだけ。」


ゆきの顔を見ずに、カバンをあさる。


「おはよぉ。あれ?仲直りしたの?」


茜が教室に入ってきた。


「茜は私の味方だよね!?」


ゆきが茜の腕を掴み言う


「へ?…はぁー…」


茜が状況を把握し、頭をかきながらため息をついた。
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