依存~愛しいキミの手~
着替えを終えて美香とエレベーターを降りると、ゆりあ…じゃない知美がいた。


「あすかちゃん美香ちゃん!」


私たちに気づいた知美は笑顔駆け寄ってきた。


「今日は突然行ってごめんね。疲れたでしょ?」


「ううん、こちらこそありがとう。また来てくれるって言われて安心した。知美の大事なお客さんの機嫌損ねてたらどうしようってハラハラしてたからさ」


私がタバコに火をつけて言った。


「岩崎さんあすかちゃんのことも、美香ちゃんのことも気に入ってたよ。楽しかったって。私も友達紹介できて嬉しい」


知美がすごく嬉しそうに笑ってくれたので安心した。

内心、私の所に流れて来たことを良く思っていないんじゃないかと不安だったから。


好意でしてくれたのに、そんなことを少しでも考えた自分が恥ずかしかった…。


「知美行くでしょ?」


美香が聞いた。


「うん。友達と行くの初めてだからすごい楽しみ」


?


明るくなった歌舞伎町を2人に合わせ歩いて行くと、圭介たちの店に着いた。


「いらっしゃいませー」


結構混んでるな。金曜のこの時間だからかな?


腕にはまる知美からもらった時計は、6時前を示している。


席に案内され座ると、ヘルプの子たちがついてくれた。


焼酎のボトルを入れ、ワイワイ騒ぎながら3人を待った。
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