依存~愛しいキミの手~
準備をして圭介を呼んだ。


「タクシーあと10分くらいだって」


ソファーに2人座りタバコを吸った。


灰を2人同時に落とす。


会話がなく沈黙が続く。


「あ、そろそろだな」


圭介が時計を確認した後タバコを消したので、私も消す。


圭介がバッグとショップ袋2つを持ってドアを開けた。


会話のないままリビングへ行くと、圭介のお母さんがいたので挨拶して玄関へ行った。


「乗り換え分からなかったら連絡しろよ?」


「うん」


そんな会話だけをし家を出た。


まだタクシーは来ていない。


私の手の甲が圭介の手の甲に触れた。


ドキッとして手を自分の方へやると、圭介が手を繋いできた。


ヤバいっ。


ドキドキが加速する。


「あのさ…」


圭介が何か言いかけた時、車のライトが当たった。


「…タクシー来たな」


ライトの方を圭介が目を細めて見ながら言った。


タクシーが止まり座ると、圭介が運転手に行き先を告げ、お金を渡す。


「いいよ、私払うから!」


と財布を取り出そうとする私の手を止めた。


「じゃあな」


そう言い、軽いキスをしてきた。


!?


私は思わず手で口を塞いだ。


圭介は優しく笑いながら頭を撫で、私から離れた。
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