依存~愛しいキミの手~
テストが終わり、駅前のファストフードに入った。


地下の端の席に座り、タバコに火をつける。


「もしかして、圭介くんと進展あった?」


にっこり微笑みながら聞いてくる知美。


「な、何で分かるの!?」


私顔に出てる!?


「じゃあ付き合うことになったんだ!」


知美が私の両手を握りしめ、嬉しそうに笑う。


「え…?いや、付き合ってないよ、ないない!」


何でそんな話しが飛んでるの…?


驚きながら顔の前で手を振り言った。


「え…じゃあ返事くれなかったんだ?」


「返事…?」


え、返事って何?何のこと言ってるの…?


「…もしかして…覚えて…ない…!?」


「え?だから何のこと!?」


お互いに目を丸くして驚いた。


「あの時みんなすごい酔っ払ってたもんね…。私だけしか覚えてないのかな?」


知美が握った手を顎に置き1人で何か考えている。


「もしかして、圭介くんも覚えてないのかな!?」


顔を上げて私を見て言った。


「いやだから何を…?」


知美がまた何か考えている。


…私記憶飛ばした間に何やらかしたの…?


「言わないとやっぱ気になるよね?」


知美が聞いてきたので、勢いよく頷いた。


「…あすかちゃん…圭介くんに告ったんだよ…」


知美の言葉に頭が真っ白になった。
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