依存~愛しいキミの手~
「あ、ごめ…。え、え!?何で?どういうこと!?」


知美はそばにあった紙ナフキンで散らばった灰を集めながら聞いてきた。


私はお店で起きてからのことを知美に話す。


話している途中に気づいた。


圭介は私が告ったこと覚えてる!!


圭介と一緒に寝ていて起きた時、圭介は私に聞いてきた。


その後のことで頭いっぱいになり気にしていなかったけど、はっきり聞かれた。


「…お前店で寝る前に言ってたこと本当?」





覚えていてキス…された…。


それって…。


「え?どうしたの?」


話の途中で考え込んだ私に知美が聞いてきた。


「あ、いやでね━」


私はとりあえずそこの場所を飛ばし、最後まで説明してから今のことを話した。


「え…!?やっぱりそれって」


「口に出さないで!!」


知美の口を両手で押さえて先の言葉を止めた。


「口に出されたり、出したりすると、期待しかできなくなっちゃう…春子さんの存在忘れてブレーキかからなくなっちゃう…」


なぜか勝手に涙が溢れてきた。


知美がハンカチを差し出してくれた。


知美の口を押さえていた手を離し、椅子に座りハンカチを受け取る。


自分でも何で涙が出てきたのか全く分からない。
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