依存~愛しいキミの手~
「あった!」


圭介が新聞を見たらしい。


「知美が電話出ないから、今から家行ってみる!」


「今からそっち行くから!!」


そう言って電話を切り、私はタクシーに乗った。


タクシーの中で何度携帯にかけてもつながらない。


胸に不安がよぎる…。


震える両手をギュッと握り、額につけた。


何で?どうして?


その2つだけが頭の中をぐるぐる回る。


知美の家に着き、何度もチャイムを鳴らした。


ドアが開いたので、勢い良く開ける。


「と、知美は!?」


大声で切羽詰まったように言う私に驚くおばさん。


「それが、朝早く飛び出して行っちゃって…」


「どこ行ったか知りませんか!?」


「さぁ…」


自分の家に戻り、姉ちゃんの原付で知美が行きそうな所を探し回った。


どこにもいない…。


どこに行っちゃったの?


りょうちゃんは本当に死んじゃったの?


ねぇ、知美がいなくなったってことは、本当なの?


一体何が起こったの…
< 277 / 441 >

この作品をシェア

pagetop