依存~愛しいキミの手~
「何か気分落としちゃってごめんね」


美香が申し訳なさそうに謝る。


「ううん、聞きたかったのは私だし、複雑な心境なのは確かだけど聞けて良かった話だと思う」


そう言って私はタバコの火を消し、灰皿の中のをシケモクと灰に分け始めた。


何か手を動かしていないと落ち着かないから…。


「そう言ってもらえて安心した。あ、圭介には私から過去のこと話したって言っておくね。勝手に知られたくないかもしれない過去話しちゃったのに、知らんぷりしてたら信頼なくなる~みたいなさ」


意外だった。


てっきり圭介には内緒ねって言われると思ったから。

今まで関わってきたタメの子たちとは違う。しっかりした考え…大人なんだな。


「でさ、最初の質問に戻るんだけど、圭介ってそのことがあって以来仕事以外で女と手繋いでるの見たことなかったから、すごく驚いたんだよね。ましてや初対面じゃん!?これは何かあったか!?って勝手に勘ぐっちゃった」


美香が抱えていた膝を伸ばしテーブルの上に足を置いた。


「いや、特に何があったってワケじゃないんだけど…」


私は美香にさっきあった圭介とのことを話した。
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