依存~愛しいキミの手~
突き当たったすぐ左にはフロアが広がっていた。


白い壁に白いソファー。廊下と同じように、いくつかシャンデリアが天井から下がっている。


店内は薄暗いけど、お客さんと従業員がたくさんいるのが分かった。


レジの人が

「いらっしゃい美香ちゃん。友達?いらっしゃいませ。ゆっくりして行って下さいね」


と声をかけてくれた。


私がぺこっと頭を下げた時。


「いらっしゃいませー」


店内の色んな所から声が聞こえてきた。


圭介が席に案内してくれて、美香と一緒に座り心地のよいソファーに腰かけた。


「少し待ってて。ヘルプがすぐ来るから」


そう言った圭介はレジの方へ向かって行った。


ヘルプ…?専門用語?よく分からないけど、緊張する。


「あすかは酒飲める?」



美香の隣に座っていた優が、コースターと灰皿を私の前に置きながら聞いてきた。


「うん。何でも飲めるよ」


私はバッグからタバコを取り出し灰皿の横に置いた。


「じゃあとりあえずビールでいい?」


「うん!」


そんな会話をしていると、従業員のホストが前に来た。


「初めましてー。裕也です。失礼してよろしいですか?」


「どうぞ…」


緊張しながら返事を返すと、裕也が椅子に座った。
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