依存~愛しいキミの手~
ウトウトしかけた時、握りしめていた携帯が鳴った。

!!


圭介だ!


「もしもし!」


声が弾む。


「お疲れー、寝てた?」


圭介があくびをしながら言う。


「寝てないよ。今終わったの?」


体を起き上がらせながら、壁にかかる時計を見る。


9時前だった。


「あぁ、今さっき終わった。週末だから伸びてさ」


電話の向こう側で、カチャンとジッポを開く音が聞こえた。


私もタバコに火をつける。


近くにいないのに、行動がなんとなく分かる。


同じことをする自分に、何かにやけた。


「寝る時間あんの?」


「塾昼くらいからだから、少し寝れる」


「そっか。…店、どうだった?」


圭介の声のトーンが優しく変わる。


心地のいい声…。


きゅうっと胸が締め付けられる。


「楽しかったよ。すごい緊張したけど、みんなちょーいい人でさ!」


私は興奮しながらお店であったことを話し、圭介に聞いてもらった。
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