依存~愛しいキミの手~
「鞄しまうから貸して。あとこれつけて」


圭介がヘルメットを渡してくれた。


ヘルメットをかぶるが何かぶかぶかしてる…。


「緩い?」


そう言いながら圭介が紐を調整してくれた。


うわっち、近い近い!!


睫の動きが分かるくらいに近い距離。


緊張ではなく、胸が締め付けられるような高鳴りを感じた。


たった数秒がすごく長い時間に感じる…。


「よし、行くか」


紐を縮め終わり、曲げていた膝を伸ばす圭介。


胸の高鳴りがまだ消えないまま…。


「この道あっちでいいんだよな?」


圭介が聞いてきた。


「うん。鎌街しばらくまっすぐ行って、左に曲がればギチョウの駅前に出るよ」


「ギチョウ…って桜木町のこと?」


優がバイクに跨って聞いてきた。


「うん。地元ではみんなそう呼んでるんだ」


美香がランドマークに行ってみたいと言うので、ランドマークタワーへ向かうことになった。


原付なら乗ったことあるけど、単車は初めてだからドキドキする。


「安全運転するから大丈夫だよ(笑)ここに足かけろな」


椅子に座り圭介の肩に掴まった。


「肩でも大丈夫だけど、怖いなら腰持った方が体揺れないよ。」


と、圭介が私の手を腰にずらした。


うわっ密着!
心臓のバクバクが絶対聞こえてるって…。


圭介がアクセルを回し走り出した。


うわぁ…風がすごい!


すごく気持ち良い!!


「怖くねぇ?」


「大丈夫!すっごい面白い!!」


車で良く通る道なのに、バイクだと全然景色の見え方がちがう。
すごい面白い、ちょう最高!!
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