雪の種




少しラメの入ったその糸はとても綺麗であたしの目を一瞬にして奪った。




「あら、可愛いじゃない」




制服を着て鏡を見るあたしに叔母さんが声をかける。



「へへっ、そーかな?叔母さん?」




「えぇ、とっても可愛いわ!陽子姉さんにそっくりよ…」




お母さんもこんな風に制服を着て中学校生活楽しんでたんだ…。




「…翼、あのね、私もあなたのお母さんの妹だからまだ“おばさん”まではいかないと思うの。
だから…せめて“香子さん”って呼んでくれないかしら?」






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