3番目の高度合成数。-年下のキミと-


 カランカラン、と重たい鈴の音を響かせて扉を開けると、マスターが迎えてくれた。


 いつものカウンター席に座ってキョロキョロしてみるけど、大志くんが見当たらない。


「ホッ」


 小さく呟いたのも束の間、カウンター奥から紙ナプキンを抱えた大志くんが出てきた。



「あ……いらっしゃいませ……」


 目を見開いた大志くんを見て、一気に気まずさが溢れる。

 やっぱ来なければ良かった、かも。



 でも……。


「良かった」

 大志くんが眉を下げながら、顔をクシャクシャとして笑った。


「実句さん、暫く(しばらく)来てくれないかと思って」

< 116 / 333 >

この作品をシェア

pagetop