3番目の高度合成数。-年下のキミと-

・決着(後半)



 自宅近くの駅に着く頃には、もう午後三時になっていた。



 雨はもう小雨になっていたけど、空は暗く、寒い。


 本当だったら、今頃水族館を見ていたはずだったのに。



 早く帰って、大志くんに連絡しなくては。

 そして、伝えなくては――。




 私は小走りに駅の階段を下りた。


 
 改札を出ると、前のベンチにうな垂れるように人が座っているのが見えた。

 小雨に戻ったとはいえ、その人の周りに傘は見当たらない。ずぶ濡れになっている人……。

 見慣れた学生服がはっきり見える。



 まさか!?

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