【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「なんだ・・・残念・・・・。」


 目を伏せて本当に残念そうな百合の顔・・・。


 こんな顔するなら、何でも良いから用意すればよかったな・・・。


「来年、期待していてくれ。」


 そんな言葉で、ごまかそうとおもったが・・・。


「それ・・・去年も言った。」


 なんと!


「そうだっけ?」


「そうだよ・・・。キリトはいつもいい加減なんだから・・・まぁ、良いさ・・・来年期待しているよ。」


「おう、任せておけ。」


 百合が笑った。


 百合が笑ったから自分も笑った。


 それを見て、来年こそは彼女に誕生日プレゼントを買ってあげようと思ったんだ・・・。


 だけど、来年の誕生日が来る前にクーデーターが起きて、だから・・・彼女に誕生日プレゼントを買ってあげることは永遠にできなくて・・・・・・・。

< 79 / 130 >

この作品をシェア

pagetop