ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


そこからはスローモーションのように。



金色の瞳は挑むような光を湛えたまま、


切なげに歪まれた顔が僅かに傾き、


形いい唇があたしの唇に近づき、


その熱い吐息を顔に感じ、




唇同士が…触れ合う寸前。









「離れろ、下衆野郎」









橙色の男が――

あたしをその胸板に抱いた。



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