ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~





脳裏に焼き付く赤い瞳。


艶然と微笑む美少女。



その2つは1つに重なり――

赤い目をした少女が微笑んだ。



『ふふふふふふ』



あたしは…その姿に縛られる。



怖い、怖い、怖い、怖い。



「あ、ああああああ」



助けて、助けて、助けて、助けて。



あたしはあまりの恐怖に声を上げた。



この時――

あたしは判っていなかったんだ。


あたしが本能的な恐怖を覚えた理由を。


この出会いが、あたしの"平穏"を脅かすことを。


そして――。


如何にあたしが…

皆に守られてきたかということを。



「ああああああああ!!!」



あたしは…


叫び続けるだけだった。






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