完璧な彼氏×おバカな彼女
ちょっとしてから、一ノ瀬くんが戻ってきた。

「龍~どこに行ってたんだよ。遅すぎ。鈴ちゃんも俺も心配してたんだぞ」

海君がそう聞くと、顔色を変えた。不機嫌な感じの顔色だったけど、どうしたんだろ??

「わりぃ。海さっき電話したら6時に公園に着いたらいいってよ」

そう言い、海君をどけ一ノ瀬君は自分の椅子に座った。

「まぢ。ラッキー」

海は大喜びした。

昼休みが終わりそうになる10分前に3人で弁当を食べた。


放課後

今日、日直だったことすっかり忘れてたぁ。日直日誌まだだった。しかも、数学の宿題も家で出来なかったからやらなきゃいけないし・・・。正確には、問題が分からなくやれなかったんだよね。もう1人の日直は誰かなぁ~。と思いながら日誌を書いている途中、突然教室のドアが開いた。

ガラガラ・・・。

「あっ一ノ瀬くん。どうしたの??」

「俺も日直。遅くなってごめん。」

そう言い。一ノ瀬君は自分の席じゃなく、私の隣の席についた。

「そうなんだぁ。私も今まで忘れてて・・・。一ノ瀬くん、暇だったら宿題教えてくれないかなぁ??日誌は全部、鈴が書くから・・・。」

「いいけど」

「ホント。じゃあ、ここ教えて」

「ここは、Xに4を代入して答えを出すんだよ」

説明してくれるんだけどイマイチ分からなくて、シャープペンを動かさないで考えていると、ギィーっと椅子から立ち上がった一ノ瀬君は、私の後ろに来て、私が握っているシャープペンを上から握り、耳に一ノ瀬くんの吐息がかかり、ボーっとしていると、

「天宮さん??」

「ごめんね。ボーっとしてた」

私がそう言うと一ノ瀬君は、隣の席につき、自分のカバンからルーズリーフを取り出し何か書き始めた。

















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