青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

☆曇り、所によりケータイ

 ピッ、ピッ、ピッ……

 規則的に鳴り響く医療器機に囲まれて少女は眠っていた。

 口には酸素マスクが当てられている。自発呼吸では体内に必要な血流の酸素濃度が足りないのだ。

 そこまで彼女の体は弱りきっていた。無理もない。

 生まれてから彼女は寝たきりなのだから。

「もう、十四年か………」

 少女が眠るベッドの傍に立つ灰山が小さく呟く。武骨な指で少女の黒くて長い髪を優しく撫でる。彼にとっての懐かしい面影が思わず表情を和らがせた。

 眠っていても年相応に成長する体は、まさに神秘的であり、少女を眠り姫と連想させた。

 しかし、少女を目覚めさせるのは王子様のキスでも、現代の高度な医学でもない。


 “奇跡”


 少女を目覚めさせる残された可能性はそれだけだった。

 実は数年前まで、回復の見込みはあった。

 それでも、たった数パーセント程度だったが、灰山はそれを信じていた。

 しかし去年、悪魔がその数パーセントを潰した。

 だから、その悪魔に制裁をくわえることを考えたが、何故か天使が一緒にいるこがわかり気が変わった。
 悪魔を人質とし、天使を利用することを思い付いたのだ。

 十数年間、組織が全力を上げて探しても見つからなかった“奇跡”を起こせる宝、“神杯”。

 まことしやかに言い伝えられていた幻とも伝説とも言われるその宝。

 ならば、同じような幻や伝説とも言える悪魔や天使を利用すれば何か進展があると賭けたのだ。
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