ヴァンパイア



「………なら、よかったです」

雪はニッコリと笑った。


「……雪」
「なんですか?」
「雪は……雪は………薫を信じているの?」


雪は真剣な顔になった。凛々しく背筋をピンッとして………


「はい。私の主人です」



主人です………か……



「雪……私は……薫を信じられないの……いつ、食べられるんだろう?いつ、見捨てられるんだろう?


………そればっかり考えてしまうの………」


ポンポン
リズムよく私の頭を撫でた


「優美様………薫様は世界で貴女が一番大事な人です……それだけは、忘れないでください」


世界で一番大事な人?
こんな人間が??
私なんかが??


ポタッ――――


雪はまた、私の頭を撫で部屋から出た。
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