ベッドシーンモデル あずさ×優の場合
「そうここの一部と同じのを描いて」
私が撮って来た ビル群の写真を指して答える。


優、小石川 優(17歳) 桜東高校2年。 私の幼馴染。


私は、緑川 あずさ(17歳) 桜第一高校2年。


優と高校は別々だけど、こうしてほぼ毎日 ママの仕事の手伝いというか、アルバイトをしている。



『あずさ・・・』
ペンを動かす手を止め、考えるように 私に声をかける。


「・・・何?」
またきたかーー・・・。
憂鬱な気持ちを押し殺して 返事をした。


『令ちゃんなんだけどさー。 また今日も誰かに告られたみたいでさー…。 そいつとつき合うのカナー?』


(そんなこと 知るかっ!)
心の中で叫び、チクンと胸が痛くなる。


「直接聞くか、令ちゃんの友達に聞いてみたらー?」
どーでもいー 口調で答えると、


『んっなこと聞いたら、俺が令ちゃんを好きなのバレるじゃんかーー』


(はっ! 女々しい奴。 告ってとっとと振られろ!)
そうなって欲しい思いを、痛みが走る胸に押し込め、


「令ちゃんと同じクラスなんでしょ? だったら もしつき合ってたら 彼氏と一緒にいるところ、嫌でも目に入るんじゃない?」


優は目じりを下げて、
『ワーマジ どうしよう。 令ちゃんが男といちゃついてるところ 見たくねーよ・・・』


ガックリうな垂れる。


令ちゃん・・・。


優と同じクラスの 中居 令ちゃん・・・。


優の想い人・・・。
令ちゃんは学年のアイドル的存在で、優いわく 清楚で、可憐で、めちゃめちゃ可愛いらしい。


優は令ちゃんのことが好きで、仕事中 何度も令ちゃん話を聞かされる。
  
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